生涯投資家(村上世彰)
金儲けして何が悪い、などの発言だけが切り取られ一人歩きしている村上氏だが、彼が何を考え、何をしてきたのか、について事例を交えて説明している。
全てのハイライトを列挙したいが日が暮れるため、特に参考になった点を3つ挙げる。
1. 超一流投資家の投資判断
- 期待値による判断
投資判断の基本はすべて「期待値」にある。いろいろな投資案件において、きわめて冷静に分析や研究をして、自分独自の「期待値」を割り出している。
2. 超一流投資家から見た日本企業の問題点
- 人間にとって血液の循環が必要なように、企業や国にとって大事なのは資金の循環であるが、それがコーポレート・ガバナンスの不十分により停滞している。
改めて、さらに声を大にして言いたい。「コーポレート・ガバナンスと、その浸透による資金循環の促進」こそが経済成長を促す策だ、と。
3. ファンドマネージャーや経営者に限らず、あらゆる立場の人が持つべき志
- 冒頭に書いた通り、「金儲けして何が悪い」などの過激な発言だけが一人歩きしているが、彼がしたことは、(上場)企業、ひいては国の現状を憂い、あるべき姿を本気で考えている。他者かたお金を預かるファンドマネージャーであるため、当然リターンも追い求める必要はあるが、ベースにあるのはあくまで企業のため、国のため、という所。