人生の勝算(前田裕二)
8歳で最愛の両親を失い、路上ライブで弾き語りをする中で身につけたコミュニティを形成する術、外銀時代から続く超ハードワーク術(5時出社、日を跨いでの帰宅)、showroomのローンチから今までの成功や失敗など、29歳にしてこれほど経験しているのか、と驚かされることばかり。
よくある自己啓発書ではなく、自分がやることをやっているのか、当たり前のことができているのか、
また良質なコミュニティを作るためには何が大切か、というところまで、非常に参考になる箇所が多々あった。
特に参考になった箇所をいくつかピックアップ。
1. エンタメの業界構造の変化(第2章)
消費スタイルが、単なるモノ消費・コンテンツ消費から、ヒト消費・ストーリー消費に移ってきているのです。
「クオリティ」の定義が、変わってきているのです。(中略)歌のうまさや芸術性が価値になるのではない。コンテンツ供給側と受け取る側が心で繋がって、そこに絆が生まれる。コミュニティが生まれる。
プロが作る映画、歌手が歌う曲は、それはそれでこれまで通りいいものだけど、例えばなんでもない人、歌手を目指してたけど無理だった人が持つ背景、ストーリーに共感し、一方向ではなくインタラクティブなコミュニティが形成されうる。
2. モチベーションと、そのための見極め(第4章)
世の中の課題は、大体モチベーションで解決できると思っています。(中略)ぶん殴られようとトラブルがあろうと、立ち上がって、showroomを必ず成功させると、決めきっています。
モチベーションを生むために、必要なのが「見極め」です。見極めが甘いと頑張り続けることはできません。
平たく言えば仮説を立てて、徹底的に調べて金脈を掘りに行く、っていうことかと。見極めたらあとはやりきるだけ。
3. ルールを作る(第6章)
アメリカ人はルール作りに長けている。
日本人はルールの中で頑張ることが得意だが、アメリカ人はルール、プラットフォームを作ろうとする。自分たちで作ったルールなので勝てるようになっている。