プラットフォームの教科書(根来龍来)
業界に詳しくない人が初めて読む教科書としては、わかりやすい文章と図で説明していてすごくいいが、業界の人であればごくごく当たり前のことなので、おさらいとして読むのがいいかもしれない。
また、各事例に対して、教科書的な(後付の)理論としてはすごくわかりやすいが、実践して、新しいプラットフォームを作ってください、というのはだいぶジャンプが必要。
個人的に参考になった箇所。
1. スマホが主役でいるのはあと5年(01 プラットフォーム革命)
5年かどうか、というのはどうでもいいが、以下が参考になる。
だからプラットフォームのビジネスに関わる人は、次のような問いかけを忘れてはいけない。
「このビジネスのプラットフォームは何か?」
「そのプラットフォームはどういう技術や製品を前提にしているか?」
「その技術や製品の代替品はいつどこから現れるか?」
2. プラットフォームは1つとは限らない(02 レイヤー構造)
平たくいえば、どこを切り取るか、という所でプラットフォームの見方が変わる。ある視点から見ればプラットフォームだけど、 もう少し広い視点で見ればプラットフォームonプラットフォームであり、さらに広く見ればプラットフォームonプラットフォームonプラットフォームであり、みたいな話。
facebookとかCygamesとかを想像するとわかりやすいかもしれない。
3. チキンエッグ問題を解決する(10 エコシステムのマネジメント)
メルカリやチケットキャンプなどのマーケットプレイスでよくある「にわたま」の話。これに対して著者としての突破法。
この問題を解決するには、泥臭い努力が欠かせない。つまり、協力してくれる人(会社)を増やすために「口説き落としていく」ことが重要になる。
これも一つの解だけど、マーケットプレイスのタイヤの両輪問題、天秤の両サイド問題、言い方はなんでも良いけど、どういう需要供給のバランスでマーケットプレイスが成長するのか、世界のスタートアップの事例集みたいなものがあれば知りたい。
プラットフォームの教科書 超速成長ネットワーク効果の基本と応用
- 作者: 根来龍之
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: 単行本
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